家族:被扶養者
健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを被扶養者といいますが、被扶養者の範囲は法律で決められています。
被扶養者の範囲
被扶養者となるためには、原則、国内に居住していて、主として被保険者の収入によって生活していることが必要です。扶養認定基準の1つとして、「被扶養者となる人の年間収入【注1】が130万円(60歳以上または障害者(障害年金に該当する程度)は180万円)未満で、被保険者の収入の1/2未満であること」というものがあります。収入には、通勤交通費などの非課税収入および賞与を含みます。
【注1】年間収入とは、被扶養者の認定は事実発生から将来に向かって行うものであることから、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額(直近(概ね3ヵ月)の収入等をもって判断)のことをいいます。(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること。)
また、被扶養者となるためには、当健保組合の認定【注2】を受けなければなりません。
被保険者と同居でも別居でもよい人 | 被保険者と同居が条件の人 |
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被扶養者認定における国内居住要件
2020年4月より、健康保険の被扶養者認定の要件に、国内居住要件が追加されました。日本国内に住所を有していない場合、2020年4月1日以降は、原則として被扶養者の認定はされません。(海外留学等、一定の例外あり)
国内居住要件の考え方
住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。
- ※住民票が日本国内にあっても、海外で就労している等、明らかに日本での居住実態がないことが判明した場合は、国内居住要件を満たさないと判断されます。
国内居住要件の例外
外国に一時的に留学している学生等、海外居住であっても日本国内に生活の基礎があると認められる場合は、例外として国内居住要件を満たすこととされます。
- 【国内居住要件の例外となる場合】
- ① 外国において留学をする学生
- ② 外国に赴任する被保険者に同行する者
- ③ 観光、保養またはボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
- ④ 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者
- ⑤ ①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者
国内居住者であっても、被扶養者と認められない場合
医療滞在ビザで来日した方、観光・保養を目的としたロングステイビザで来日した方については、国内居住であっても被扶養者として認定されません。
経過措置
国内居住要件の追加により被扶養者資格を喪失する方が、施行日(2020年4月1日)時点で国内の医療機関に入院している場合、経過措置として、入院期間中は資格が継続されます。
短時間労働者(パートタイマーなど)の適用について
1週間の所定労働時間および1ヵ月の所定労働日数が常時雇用者の3/4以上ある場合は、健康保険の加入対象となります。
また、3/4未満の場合でも、以下の5つの条件すべてに該当する場合は健康保険の加入対象となります。
- 1.1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 2.賃金の月額が8.8万円以上であること
- 3.学生でないこと
- 4.常時51人を超える被保険者を使用する企業(特定適用事業所)
または、50人以下でも、加入について労使合意した企業に勤めていること - 5.勤務期間が2ヵ月を超えると見込まれること
三親等内の親族とは?
- ※被扶養者が75歳になると後期高齢者医療制度に加入するため、被扶養者の資格を失います。
【注2】当健保組合の被扶養者の資格を認定するにあたり、上記親等表のとおり扶養対象者の続柄をはじめ、同居者の有無・個人の収入など詳細な内容について確認させていただきますのでご承知の上で申請してください。
年間収入が130万円未満でも被扶養者となれない場合があります。退職金・相続等一時金収入がある場合は、被扶養者と認定されない場合があります。
もっと詳しく
- 被扶養者が別居するとき
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同居していた被扶養者が別居するときは、別居後も被保険者の収入によって生活していることを確認させていただきます。確認できない場合は、被扶養者の資格を解除させていただきます
「被扶養者が別居するとき」 - 被保険者・被扶養者が75歳になった場合
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平成20年4月から後期高齢者医療制度が創設され、75歳以上(寝たきり等の場合は65歳以上)の人はすべて後期高齢者医療制度に加入することになりました。
したがって、被保険者が75歳になった場合、被保険者が健康保険組合の加入資格を失いますので、被扶養者も同様に健康保険の加入資格を失い、他の医療保険に加入しなければならなくなります。また、被扶養者自身が75歳になった場合も、後期高齢者医療制度の加入者となりますので、健康保険組合の加入資格を失います。